今回はそのなかで「心を養えた」と感じた本を紹介します。
さて、この記事は前回紹介した【今年読んで良かったおすすめの本10選[技術編]】の続編です。
今回は僕の読んだ本の中から「これは心を養うときに読みたいな」と思った本を[心編]と題して紹介します。
今年読んで良かったおすすめの本10選[心編]
『史上最強の哲学入門』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (5.0) |
---|---|
読みやすさ | (5.0) |
感動 | (3.5) |
面白さ | (4.5) |
こんな人にオススメ | 哲学についてこれから勉強したい人 |
飲茶(やむちゃ)さんが書かれた、哲学の入門書です。
強い論を戦わせる哲学者の姿を、漫画『グラップラー刃牙』のように戦わせるという、かなりおもしろい構成です。
なかでも第3章(第3ラウンド)の「神様の『真理』」というところは、信仰者は読んでおくべきところかと。
古来より人間が敬ってきた「神」に対して、哲学者がいかに切り込んでいったのかを学べます。
あ~こういう流れがあって、「神様の『真理』」にたいする考えが現代に通じてるのか、ということがストンと落ちました。
『代表的日本人』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (5.0) |
---|---|
読みやすさ | (2.5) |
感動 | (5.0) |
面白さ | (2.5) |
こんな人にオススメ | 日本人が大切にしてきた精神を勉強したい人 |
内村鑑三(うちむら かんぞう)さんが書かれた、日本人の根底にある思想を説明した1冊です。
もう少し具体的に言うと
- 西郷隆盛(さいごう たかもり)
薩摩藩出身の武士、軍人、政治家 - 上杉鷹山(うえすぎ ようざん)
江戸中期の大名 - 二宮尊徳(にのみや そんとく)
農村の復興を指導した農政家、二宮金次郎 - 中江藤樹(なかえ とうじゅ)
江戸時代初期の陽明学者 - 日蓮上人(にちれんしょうにん)
日蓮宗の宗祖
という5人の代表的な日本人に焦点をあてて、その生きざまから「日本人」を世界に向けて紹介しています。
はじめにお伝えしておきますが、個人的には少し読みづらさを感じました。
これから読書をはじめようと思っている方は、ほかで紹介している本から読まれることをお勧めします。
しかし、名著中の名著であることに間違いはありません。
僕はこの本を読んで、心の奥からじわじわとモチベーションが上がってくるのを感じました。何と言うか「やっぱり日本っていいな」と思えたのです。
『生き心地の良い町』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (4.5) |
---|---|
読みやすさ | (4.5) |
感動 | (5.0) |
面白さ | (3.5) |
こんな人にオススメ | 地域の人々に寄り添うことを目指している人 |
岡 檀(おか まゆみ)さんが書かれた「自殺”最”希少地域」をつぶさに調べた1冊です。
徳島県南部にある小さな田舎町「海部町」は自殺が非常に少ない。
4年間にわたる町を現地調査で、「なぜこの地域に自殺が少ないのか」が解き明かされていきます。
海部町は、「助けを求めよ」と言葉によって人をさとすよりも、人が「助けを求めやすい」環境を作ることに腐心してきた。
面と向かって言われては意固地になるような輩も、気づけば弱音を吐かされているという、実に巧妙で高度な策を施している。
(岡檀『生き心地の良い町』講談社 130頁)
地域の問題について宗教者としてできることを模索している方には、是非とも読んでいただきたい1冊です。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (3.5) |
---|---|
読みやすさ | (5.0) |
感動 | (4.0) |
面白さ | (5.0) |
こんな人にオススメ | ゲラゲラ笑いながら、心について考えたい人 |
岸田奈美(きしだ なみ)さんが書かれた、自分の周りで起こるハプニングを面白おかしく紹介した1冊です。
上の「面白さ」の星は5.0としていますが、実際には15くらいあります。
岸田さんには、車いすで生活されている母とダウン症の弟がいます。(父親は急逝されている)そんな家族との日常生活の中で起こるドタバタ劇を、面白おかしく書いてあるエッセイです。
内容は声を出して笑ってしまうくらい面白いのですが、その中でウルッとくる場面もあり、感情がジェットコースターのように上がり下がりしました。
これから読書を始めたい人にはオススメの一冊です。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (4.0) |
---|---|
読みやすさ | (5.0) |
感動 | (4.5) |
面白さ | (3.5) |
こんな人にオススメ | 多様性について考えたい人 |
ブレイディみかこさんが書かれた、これからの多様性を体験談から語られた1冊です。
ブレイディみかこさんがイギリスで息子と暮らす中で感じたことをエッセイのような形で綴られています。
人種も貧富の差もごちゃまぜの中学校に通う息子とのやりとりは、ハッとさせられることの連続でした。
読みやすく、かつ学びも多い素晴らしい作品です。
『神話の力』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (5.0) |
---|---|
読みやすさ | (1.5) |
感動 | (3.5) |
面白さ | (2.5) |
こんな人にオススメ | 神話の意味を考えたい教会やお寺のリーダー層 |
ジョーゼフ・キャンベルさんとビル・モイヤーズさんの「神話の力」についての対談をまとめた1冊です。
学びが多い名著ですが、いかんせん難しいです。
読書が好きな人で、かつ神話に興味のある人が読むことをオススメします。
そんな僕ですがグッときたのは、以下の引用部分です。
宗教とは、実は第二の子宮みたいなものです。人間という極めて複雑なものを成熟させるためにそれはあるのです。
(ジョーゼフ・キャンベル/ビル・モイヤーズ『神話の力』早川書房135頁)
人間は生まれてからも、精神的に未成熟な状態です。そんな時に神話が「第二の子宮」の役割を果たすのだと、キャンベル氏は言います。
信仰者である僕自身が、まったく気がつかなかった神話のというものの重要性を気がつかせてくれた1冊です。
『風景との対話』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (5.0) |
---|---|
読みやすさ | (3.0) |
感動 | (5.0) |
面白さ | (2.5) |
こんな人にオススメ | 創造的な仕事をしている人 |
画家の東山魁夷さん書かれた、自らの心の変遷を記した1冊。
個人的にですが、この本は第一章の「風景開眼」を読むだけで十分価値のある本だと感じています。
僕はこの第一章を読んで涙が出てきました。
自分の中から何かを創造するときの、苦悩や喜びが書かれています。
東山魁夷さんの『風景との対話』については別の記事でも紹介しているので、そちらもよければ読んでみてください。
『はじめて考える時のように』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (5.0) |
---|---|
読みやすさ | (5.0) |
感動 | (3.0) |
面白さ | (4.5) |
こんな人にオススメ | 考えるということがどういうことなのか、考えたい人 |
矢野茂樹さんが書かれた「考えることを考える」1冊です。
切り口は哲学的ですが、分かりやすい言葉で語られています。
上田真さんという型が挿絵を描いておられるので、絵も楽しみながら読むことができます。
僕はこの本を読んで、信仰についても理解を深めることができました。
信仰者の皆さんにもオススメです。
『カラフル』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (3.5) |
---|---|
読みやすさ | (4.5) |
感動 | (3.5) |
面白さ | (4.0) |
こんな人にオススメ | 「生きる」ということを物語を通して学びたい人 |
森 絵都さんが書かれた小説です。
「大きなあやまちを犯して死んだ、「ぼく」の魂。
本来なら2度と生まれ変わることはできない魂となってしまうが、抽選にあたり現世で再挑戦できる機会を手に入れる」というところから物語が始まります。
僕は作品の魅力に引き込まれ、あっという間に読了しました。
作品自体の切り口がおもしろいですし、読みやすい文体なので読書が苦手な人にもオススメです。
読み終わったあとは、心がほっこりします。
『宗教は人を救えるのか』
まきのりが独自の視点で付ける5つ星
学び | (5.0) |
---|---|
読みやすさ | (4.0) |
感動 | (3.5) |
面白さ | (3.0) |
こんな人にオススメ | 人を助けたいと思っている信仰者 |
釈撤宗さんが書かれた、人間が直面する悩みに対して宗教がいかに寄り添っていくかを考察した1冊。
僕はタイトルを見て、読むのを迷いました。
堅苦しい内容だったら読み切れないんじゃないかと心配したのです。
しかし、内容は非常に面白く、勉強になることばかりでした。
この本については他にもブログを書いていますので、よければそちらもご覧ください。
もう一度すべての本をおさらい
では、最後にもう一度すべての本をおさらいしておきます。
『史上最強の哲学入門』
『代表的日本人』
『生き心地の良い町』
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
『神話の力』
『風景との対話』
『はじめて考える時のように』
『カラフル』
『宗教は人を救えるのか』
興味のあるものがあったら、ぜひ読んでみてください。
以上、「【教会やお寺の代表に伝えたい】今年読んで良かったおすすめの本10選[心編]」というお話でした。
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