どんなところに注意して伝えたらいいんだろう。
信仰を伝える。
これほど難しいこともなかなか無いと思います。
針の穴に、だるんだるんの糸を通すくらい難しいです。
今回はそんな「難しいことを分かりやすく伝えるポイント」を5つ紹介します。
参考にする本を紹介
今回参考にする本は3冊あります。
すべて哲学作家の飲茶さんが書かれた本です。
飲茶(やむちゃ)
東北大学大学院卒業。
哲学作家。
会社経営者。
漫画『グラップラー刃牙』の熱烈なファンとしても知られる。
本の表紙を見てもらえれば分かるように、哲学という難しいそうな分野を扱っているのに関わらず、すでに親しみがあります。
この親しみやすさも分かりやすさに繋がっていると僕は思うのです。
そのあたりも交えて次章で解説していきます。
難しいことを分かりやすく伝えるポイント5選
実際に僕はこの3冊を読み、こう思いました。
多分普通の哲学書は読み切る自身ないけど、飲茶さんの本って超絶読みやすい。
ここからは、本書の内容を読んだ僕が感じたこの「読みやすさ」の正体。
つまり「難しい哲学という学問を分かりやすく伝えるためのポイント」を紐解いていきたいと思います。
結論からいうと次の5つがポイントです。
- 図解が付いている
- おもしろさがプラスαされている
- 難しい言葉をできるだけ優しく表現する
- 対話が用いられている
- 締める所はしっかり締める
ここから1つずつ説明していきます。
図解が付いている
1つ目は「図解が付いている」ことです。
まず飲茶さんの本を読んで感じた読みやすさの1つは、要所要所にはいっている図解です。難しい内容でも、絵や図にしてもらえると本当に分かりやすい。
これは信仰を伝えるうえでも、使える技術だと思います。
「そんなこといっても、絵や図なんて作れないよ」という方は、説明するときに絵を用いてみるのもいいかもしれません。
また、絵や図の作成にチャレンジしてみたい方には「Canva」というサービスがオススメです。
デザインの知識がなくても、感覚的にイラストなどを作成することができます。
「Canva」は基本的に無料で使えますが、有料版にするとより多くの素材が使えます。(僕は無料版を使っています)
さらに僕はこの「Canva」とピクトグラムのフリーサイト「ICOOON MONO」というサービスを駆使して図解を作っています。
「ICOOON MONO」も基本無料で使えますが、禁止事項は確認してから使いましょう。
この2つを駆使すると下のような図解が作れます。
良ければ試してみてください。
おもしろさがプラスαされている
2つ目は「おもしろさがプラスαされている」ことです。
表紙を見てもらえれば分かるのですが、この表紙で「哲学」をイメージする人はほぼいないのではないでしょうか。
全てアニメのようなポップさがあり、ぼくはと読む前から「面白いんだろうな」感じました。
そして実際面白かったです。
また、話の展開の仕方も秀逸なうえに面白いです。
『史上最強の哲学入門』では、哲学者どうしの考えを戦わせるという試みがされています。
実際に『グラップラー刃牙』の著者に書いてもらったという表紙は、そのような戦いをイメージしてのことなのです。(飲茶さん自身が熱烈なファンだからということもかなり関係していると思うが)
ユーモアは大事です。
僕は恩師に「長時間話すときにはユーモアを挟んだほうが、話を聞いてもらえるよ」と言われました。
難しい言葉をできるだけ優しく表現する
3つ目は「難しい言葉をできるだけ優しく表現する」ことです。
飲茶さんの本では、あまり哲学の専門用語を多用していないように感じます。
できるだけ読み手が分かりやすいように、優しい言葉で表現されています。
さらに言えば、話し言葉が多くでてきます。
例えば、現代キリスト教の立役者、アウグスティヌスが語った言葉を紹介する時も、こんな言い回しで伝えています。
彼は、こんな言葉を残している。
「神よ!私に性的禁欲ができる自制心をお与えください! でも、もうちょっとあとで!」
(飲茶『史上最強の哲学入門』河出文庫241頁)
今回初めてする引用が、これというのはいかがなものかと思いましたが、個人的にすごく気にいている箇所なのでお許しください。
話し言葉が随所に加られていることで、分かりやすく楽しんで学ぶことができるのです。
これは本だけでなく話すときにも有効です。
話すときに「このあいだ〇〇さんに『あなた、歯にほうれん草が詰まってるよ』って言われまして……」というように話言葉があると、グッと話が聞きやすくなります。
対話が用いられている
4つ目は「対話が用いられている」です。
これは全ての本がそうというわけではありません。
この3冊のなかでは『「最強!」のニーチェ入門』が対話形式でストーリーが展開していきます。
本書では、表紙になっている女性のアキホちゃんが、飲茶さんに仕事の相談にのってもらうところから話が始まります。
僕自身わかっていないことをアキホちゃんが飲茶さんに質問してくれるということが多いので、読んでいてとても分かりやすい。
信仰を語るときにも同じです。
大勢の人に説明する、教室の授業のような形式ではなく、1対1の対話が一番伝わるのだと思います。
締める所はしっかり締める
5つ目は「締める所はしっかり締める」です。
本の中ではユーモアを交えながら話が進んでいくのですが、最後の最後でグッとくる「締め」を用意している本もあります。それが前述した『「最強!」のニーチェ入門』です。
本の最後にさしかかる段階で、飲茶さん自身の過去の悩みを哲学によって、いかに乗り越えたかが語られています。
飲茶さんが哲学をこれほど熱く語れる「根の部分」を見たような気がしました。
こうした締めるところはしっかり締めることで、全体としてまとまり、より伝わる話になるんだなと感じました。
まとめ
今回は哲学作家、飲茶さんの本を足掛かりに難しいことを分かりやすく伝えるポイント5選を紹介していきました。
- 図解が付いている
- おもしろさがプラスαされている
- 難しい言葉をできるだけ優しく表現する
- 対話が用いられている
- 締める所はしっかり締める
今回紹介した本です。
良ければ手に取ってみてください。
以上、「【哲学作家に学ぶ】難しいことを分かりやすく伝えるポイント5選」という話でした。
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