【お寺や教会の人にもオススメ】出口治明さんから学ぶ、これからの時代で大切なこと

教会のひと
時代が変化するなかで、今までのやり方が通用しなくなってきたように感じるなぁ。

これからの時代なにが大切なんだろう……。

まきのり
たしかに変化のスピードは半端じゃないですね
今の時代に大切なことを、出口さんに学びましょう。

「時代の流れがはやい」というのはなんとなく肌感覚ですが、誰しもが感じていることではないでしょうか。

お寺や教会でも、今までの常識が通用しないということが増えてきていると思います。

うちの教会組織でも、様々な変化を感じています。

  • 人口流動による、地域の過疎化
  • 教会離れ
  • 運営難に悩む教会の増加

などなど。
上げだしたらきりがありませんが、悲しくなるのでこの程度にしておきます。

思えば、僕が小さい頃(1980~90年代)は、どこの教会も賑やかで勢いがありました。

なのに今は「ここはゲレンデなのか」と疑いたくなるくらい急降下を続けています。

ひょっとしたら、今までとは大切にすることが変わってきているのかもしれません。

いったい今の時代、何が大切なのでしょうか。
考えていきたいと思います。

まきのり
ではいきまっしょい。

目次

参考にする本の紹介

今回参考にするのは出口治明さんの『還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方』です。

著者紹介

出口治明(でぐち はるあき)

1948年、三重県に生まれる。

立命館アジア太平洋大学(APU)学長。

ライフネット生命株式会社創始者。

【本書の内容】

著者が現代を生きる上で大切なことを、データや歴史、著者の体験などを通して語った1冊。

この本はめちゃくちゃ面白かったです。

しかし出口さんの真骨頂は講演だと個人的には思います。
トーク力が半端じゃありません。

APUでの講演がYouTubeに上がっているので、そちらもよければチェックしてみてください。

今回のブログの中でも引用しますが、笑いを交えながら、大切なことを学ぶことができます。

これからの時代を生きていく上で、大切なこと

大切なのは、問いを立てて何かを生みだす力

はじめに結論からいいます。

出口さんが語る、これらからの時代で大切なこと。それは「問いを立てて自分の言葉で話す力」です。
本書から引用します。

変化が激しく将来の見通しが立てにくい世界で必要なのは、物事を根底から捉える探求力です。問いを立てる力です。

「なぜ制服は自由に選べないのか。なぜ男性の制服がズボンで女性はスカートなのか」など自力で考えられる子供たちを育成していかなければならないのですが、日本の教育はそのようにはなっていません。

(出口治明『還暦からの底力』講談社現代新書 46頁)

大事なことは何が起こっても自分の頭で物事から根底を考え、自分の言葉で意見をいえる能力なのです。

(出口治明『還暦からの底力』講談社現代新書 48頁)

自分の頭で考えて、問いを立て、自分の言葉で話す

これからの変化の激しい時代は

  • 問いを立てる
  • 考えて自分の言葉で話す(アイデアを出す)

という2つが大切だと、出口さんは話しています。

これは教会・お寺といった場所でも同じことがいえると僕は感じました。

僕が信仰している宗教は、かれこれ教えが始まってから100年以上経ちます。
キリスト教仏教に比べれば、まだまだ歴史も浅いですが、それでも100年以上経つといろいろなことが形骸化してきます。

言い方を替えれば「手段が目的化」してしまっているのです。

たとえば、布教の方法などが挙げられます。
僕の信仰する宗教では、教えが広まりだした頃から、一軒一軒家を回って布教活動をしていました。

そしてそれは今でも「家を訪ね歩く」やり方が継続されています。

目的は「人々に教えを伝える」ことなのに、いつのまにか「家をまわる」ことが目的になっているのではないかと思うときがあります。

もちろん家をまわることでしか、出会えない人もいるので一概に時代に合っていないとはいえません。

ですが、ネットが普及した昨今、もっと新しい布教の在り方が考えられてもいいのではないかと思っています。

まきのり
まぁ、若い人の中ではSNSを使った新しい布教の在り方が展開されてもいるんだけどね。

ではこうした「問いを立てて、自らの言葉で語る力」がなぜ必要となってきたのかを次項で見ていきたいと思います。

工場モデルが通用しなくなってきた

なぜ「問いを立てて、自らの言葉で語る力」が必要なのでしょうか。

その理由の一つに、今までの工場モデルが通用しなくなってきたことが挙げられます。

以下、引用です。

日本の高度経済成長は9%もの経済成長を実現していました。この時代を牽引したのは製造業で、工場モデルがうまく機能した時代でした。

(中略)工場は24時間稼働が理想的ですから、筋力の強い男性の長時間労働が適していました。

(中略)しかし平成が終わった今も、日本は製造業の工業もモデルに固執し続けて、国際的な競争力を失っています。

世界のトップ企業たるGAFAやユニコーンでは、自分の頭で考え、新しいアイデアを想像することが大切な「頭を使う仕事」が中心です。

(出口治明『還暦からの底力』講談社現代新書 105.106頁)

昔は上手くいっていた工場モデルを脱却する必要がある。
そして頭を使う働きかたをする

教会のひと

ん? これって工場の話でしょ?
教会とかお寺に関係なくない?

たしかにそうですが、僕は宗教も時代の流れを受けている部分があると思います。

この話は工場モデルの話なので、一見僕たちが普段携わっている宗教というものには関係ないように思います。

しかしうちの宗教に限って言えば、よく考えてみると工場モデルのようなスタイルで、組織の経営が行われていると感じます。

たとえば、

  • 本部(本山)が決めたことを行うトップダウン型の組織
  • 画一的に「年間で布教〇万件」と方針がトップから出される
  • トップが決めた目標に向けて、とにかく時間をかけて布教にあたる
  • 基本的に男性が外に出て、女性が教会内の用事をする

などです。

これは、宗教独自の運営モデルというだけではなく、日本の工場モデルにも影響をうけているのだと思います。
あくまで私見ですが。

実際、今まではこのやり方で活発な活動が行われていたので、時代に合っていたのだと思います。

信仰者数はデータで見ても平成のはじめ頃までは増えていたのです。

しかし、現代は違います。
トップダウンでみんなが同じことを、同じようにやっていても上手くいかなくなってきました。

各教会のトップが自分の頭で考えて、その地域に合わせた活動を展開する必要がでてきたのです。
いつまでも工場モデルを引きずっている場合ではありません。

YouTubeの中で出口さんが出版社につとめる2人の男性を例に挙げて説明してくださっています。(引用元:「出口治明が説く『これからの時代を生き抜く力』」

まずはある出版社で編集業務をつとめるAさん。

Aさんはいたってマジメに業務をこなしますが、編集者としてはあまりアイデアを出せません。
次にBさんです。

Bさんは、一見勤務態度が悪いように見えますが、しっかりと成果を出しています。
そこで出口さんは講演を聞きに来た人に問われます。

出口さん
あなたがこの出版社の社長だったら、どちらの編集者を評価して給与をあげますか?

みなさん、やはりBさんを評価されているようでした。

ただし、ここで出口さんは注意を促します。

出口さん
これがシャープやソニーのカラーテレビ工場だったらどうですか?

その場合、Bさんはマジで問題児だと思います。
工場のラインは10時まで動きませんし、動いたとしてもすぐにスタバに行ってしまい、ストップします。

そう考えると、やはり今までと必要とされる人材が変わってきたと言えます。

考える人が必要なのです。

では、そのために必要なことはなんでしょうか。
次項で詳しく見ていきましょう。

「人・本・旅」を通じた勉強でアイデアを出す

はじめに紹介した出口さんの動画の後半では、講演を聞いた後に質疑応答の時間があります。

そこである方が

質問者
これからはサービス産業で飯を食っていくしかないとお話がありましたが、具体的にどのようなサービス産業が伸びていくと思いますか?

という質問がありました。

その質問に対して、出口さんはひと言

出口さん
そんなの分かるわけないじゃないですか

と言われ、会場は大爆笑。しかしそのあと、

「サービス産業なんて、ユニコーンをみても分かる通り、はじめは誰がFacebookとかGoogleがこんな大企業になると思いましたか。分からないから勉強するんです
と仰ったのです。

出口さんは工場モデルの頃の長時間労働による「飯・風呂・寝る」というライフスタイルから、アイデアを生み出すために「人・本・旅」を通した勉強の必要性を語られています。

日本の企業社会では、素直で我慢強く協調性があって空気が読めて上司のいうことをよく聞く人を喜んで採用しています。

こうした社員を5人集めて「面白いアイデアを出せ」といって、面白いアイデアが出るでしょうか。出るわけがありません。

もはやグローバルな企業間競争は、協議のルールもしくは競技そのものが変わったのです。

(中略)働き方改革を行い、早く職場を出て、いろいろなことを学ぶべきです。

(中略)つまり、「飯・風呂・寝る」の低学歴社会から「人・本・旅」の高学歴社会へと切り替えなければならないのです。
(出口治明『還暦からの底力』講談社現代新書 43.44頁)

長時間働く生活を見直し、「飯・風呂・寝る」から「人・本・旅」を通して学びのある生活に切り替える。

これは僕自身とても意識していることです。

ひとつの場所に留まって、ずっと同じことをしていたら脳が刺激されず、アイデアがでないと思います。

なので、出来る限り本を読み、なにか今の教会や自分に使えそうなことは書いてないかを考えます。

また遠方へ行くときは、有名なお寺や知人の教会などへ行き、これまた自分のところでも参考にできそうなことを探しています。

まきのり
なかには凄すぎて逆に参考にならないところもあるけどね。

もちろん、信仰者としてはお祈りの時間や掃除の時間など、毎日のルーティンをきっちりつとめることも大事だと思います。

しかし、それだけではアイデアは出にくい。やはり勉強が必要だと思うのです。

実際にぼくの周りでも、おもしろいアイデアを出す人は、ほぼ100%

  • 本を読む
  • 人に会う
  • 勢いのある教会を見学に行く

といういずれかをしています。アイデアを出すのには、自分の知識だけでは足りないということを直感的に理解しているように見えます。

正解のない時代だからこそ、1人1人が考えていくことが大切になるのではないでしょうか。

まとめ

今回は出口治明さんの『還暦からの底力』を参考に話を進めてきました。

まとめ

これからの時代を生きていく上で、大切なこと

  • 大切なのは、問いを立てて何かを生みだす力
  • なぜなら今まで日本を牽引してきた工場モデルが通用しなくなってきたから
  • これからは「人・本・旅」を通じた勉強でアイデアを出すことが必要

今回紹介した本です。

良かったら手にとってみてください。

以上、「【お寺や教会の人にもオススメ】出口治明さんから学ぶ、これからの時代で大切なこと」という話でした。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次