そう考えたとき、これからの教会を運営していく上で、大切なことってなんだろう
宗教離れがすごい。
本当に結構な離れっぷりを見せています。
僕が信仰する宗教でも、どんどん人が離れている。
離れていった皆さんは、キメラの翼でも使ったのでしょうか。
そんななか、キリスト教の教会で信仰がない人も「行ってみたい!」という声がSNS上であがり続けている教会があります。(まきのりTwitter調べ)
SNSをしている層なので、比較的若い人であることが想像されます。
それが今回紹介したい「上馬キリスト教会」さんです。
ぼくは実際に行ったことがないのですが、本が出ているので買いました。
そしてこの本に、人が集まる魅力のポイントがギュッと詰まっていたので、僕が感じたそのポイントをこれから紹介していきたいと思います。
参考にする本の紹介
今回紹介するのは、上馬キリスト教会さんの『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』です。
上馬キリスト教会(かみうま きりすときょうかい)
東京都世田谷区駒沢にあるメソジスト系単立教会。
2015年2月にスタートしたTwitterでの伝道活動が人気を呼び、一般アカウントにもかかわらず現在(2022.7.4)のフォロワー数は10万人を超える人気アカウントに。
「中の人」は、一般の信徒で、「まじめ担当」「ふざけ担当」の2人。
【本書の内容】
「ゆるく、ざっくりと」キリスト教に「親しんでもらう」ことをコンセプトにした本。
「上馬キリスト教会」のここがすごいという3つのポイント
ここからは、本書を読んでぼくが感じた、宗教家として「すごいっ!真似したい」」と思ったポイント3つを語っていきます。
はじめに3つのポイントだけ紹介します
【宗教家まきのりが、本書を読んで感じた大切なポイント3つ】
- まず親しみを持ってもらうということに全力を注いでいる
- 伝えたいことは曖昧にせず伝える
- 俗なるものを聖なる場所には持ち込まない
ここから詳しく説明していきます。
まず親しみを持ってもらうということに全力を注いでいる
1番初めに感じたのは、なんといっても本書の親しみやすさです。
挿絵も多く、文字も大きい。
そしてなによりユーモアが満載で、パッと見ただけでも「あ、これならキリスト教のこと何も知らない僕でも読める」と思わせてくれます。
本書の中でも聖書に親しみをもつことを重視していることが分かります。
もともとの私たちの活動コンセプトが「笑いながら聖書に親しむ」ですがから、この本も当然、そのようなコンセプトになります。
私たちがやりたいことは『宣教』でも『伝道』でもありません。強いていうならば「ちょっと聖書を楽しんでみない?」です。
上馬キリスト教会『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』講談社 6頁
聖書を「楽しむ」ことに重点を置いている
世の中には「キリスト教入門」という本は、かなりの数出ていると思いますが、とにかくその入門のハードルが低いのです。
おそらくヤクルト1本分くらいの高さしかないハードルです。
僕は上馬キリスト教会を写真でしか見たことがありません。
しかし信者さんだけではなく、誰もを受け入れる「開かれた教会」なんだろうなということが容易に想像できます。
伝えたいことは曖昧にせず伝える
2つ目は「伝えたいことは曖昧にせずちゃんと伝える」ということです。
始終ユーモアたっぷりの本書ですが、読者に寄り添いつつも伝えたいことはちゃんと伝えています。
そういうちょっとだけピリッとする箇所があるのも、またこの教会の良さだと思います。
本書ではキリスト教のQ&Aのページがあるのですが、そこで「聖書って『神話』とか『物語』の類でしょ?」という質問が掲載されています。
そこではまず答えとして「NOです。すべて事実として受け止めています」と言われているのです。
そこでの上馬キリストさんの返答を一部引用します。
私たち上馬キリスト教会を含め、いわゆる「福音派」と呼ばれる教派では、本当に信じています。
聖書をまずすべての事実と認めることが、クリスチャンとなる初めの一歩ということになります。
いや正直、それはいきなりハードル高すぎるだろ!? と、正直僕も思うのですが、そうなんです。
(上馬キリスト教会『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』講談社 36.37頁)
一般の人が理解しがたいことも、必要であれば勇気をもって伝える
ここ、かっこよくないですか?
僕だけかな。
なんというか、ギリギリまでゆるいんだけど、大事なところは引かない。
そういう覚悟が感じられて好感がもてます。
読者の気持ちとして「ハードル高すぎだろ!」という気持ちも分かるし、筆者自身もそう思うけど、ここは引けない。
何というかそういう覚悟を感じました。
親しみを持つ中にも、越えてはいけない部分が明確にあるというところもまた良きです。
俗なるものを聖なる場所には持ち込まない
3つ目は「俗なるものを聖なる場所に持ち込まない」ということです。
これは教会に対するQ&Aで「上馬教会は礼拝もふざけてるの?」という回答で明らかにされています。
上馬の礼拝は真面目で、卒業式のようなクラシカルなものです。
我々は聖なるものを俗なる世に持ち込みはしますが、俗なるものを聖なる場所に持ち込むことは決してありません。
そこだけは明確に線を引かなければいけないと常々心がけています。
(上馬キリスト『上馬キリストの世界一ゆるい聖書入門』講談社 184頁)
ここでも僕がすごいと感じるのは、明確な線引きがあることです。
Twitterをみると、けっこうふざけた内容もあるので、礼拝もユーモアたっぷりでおこなっているのかと考える方もいるかもしれません。
けれども、それはしないと。
人々に親しみをもってもらうために、教えを面白おかしく伝えることはあっても、聖なる場所での礼拝にそのおふざけは持ち込まない。
激烈シブいです。
普段だるんだるんの生活をしているお笑い芸人が、漫才始めた途端にワケ分からんくらい完璧にネタをやる。千鳥の大吾さんみたいな感じですかね。
そういうカッコ良さがあります。
以上、本書を読んでぼくが感じた、宗教家として「すごいっ!真似したい」」と思ったポイントを3つ紹介しました。
まきのりの視点
では次に、本書とはあまり関係がない部分で、僕が「上馬キリスト教会すげ~」と思ったポイントを、こちらも3つ話していきます。
ポイントは以下の3つです。
【まきのりの視点】
- 囲い込もうとしない雰囲気に安心感を覚える
- まじめ担当とふざけ担当が分かれている
- Twitterには牧師が登場しない
ということです。
1つずつ見ていきたいと思います。
囲い込もうとしない雰囲気に安心感を覚える
まず1つ目は、始終この教会から溢れている「開かれた教会」の雰囲気です。
来る者拒まず去る者追わずという姿勢が、伝わってきます。
なんというか「なんか楽しそうだから行ってみようかな」と思わせる何かがあります。(行ったことないんだけど)
必死で信徒を集めようとする宗教というのもあると思うのですが、上馬キリスト教会さんからはそういう雰囲気は一切感じません。
「来たかったら、どうぞ」感がすごい。
だからこそ、安心して入っていけるんだと思います。
僕も他宗教ではありますが、上馬キリスト教会さんだったら、安心して入っていけるなと感じます。(上馬キリスト教会さん、ダメだったら言うてください)
まじめ担当とふざけ担当が分かれている
2つ目はTwitterでのまじめ担当とふざけ担当が分かれているということです。
これって、一見なんでもないことのように思いますが、結構緻密な話し合いがあってのことのように思います。(たぶん)
Twitterというのは、内容によっては「それはダメだろ」と外部から叩かれて炎上することがあります。
しかも宗教という非常にセンシティブな内容を取り扱う場合は特に気を遣います。
そのあたりを上手く回避しつつ、おもしろく情報発信をするにはどうすればいいかを考えに考えた挙句、今の形になったのではないかと勝手に思っています。(たぶん)
担当を分けることによって、「この人はふざけたことを言う人だ」という立ち位置があるので、ユーモアを交えて発信しやすい。
誰が言うかによって炎上する話というのがあるからです。
例えるなら、アンタッチャブルの山崎さんのおふざけを、国の首相が言ってたら炎上すると思います。
「選挙が、、、来る~!」とか。
ザキヤマさんはおふざけキャラとしての立ち位置があるからこそ、炎上せずに「まぁザキヤマなら普通だよね」と周囲の人に思わせてしまうのです。
というかむしろ、それを視聴者は楽しみにしています。
そういう意味で、「まじめ」「ふざけ」の担当が分かれているというのは、すごく考えられてるなと思います。
どうしても伝えたいことがある時、人は熱心になります。
おもしろおかしく伝えるための工夫を考えに考えた結果、今の形があるのでしょう。
いろいろと考えられているなと感服しました。
Twitterには牧師が登場しない
Twitter上には基本的に「まじめ担当」と「ふざけ担当」の2人しか登場しません。
上馬キリスト教会には牧師さんがいると思いますし、他の教会などでは牧師さんがTwitterをしているようなところもあるかと思います。
しかし、上馬の牧師さんはTwitterをしない。
これも「あえて」牧師さんをTwitter上に登場させていないように思います。
これも僕の推測でしかありませんが、上馬キリスト教会の中に明確な線引きが存在するのだと思います。
「聖」と「俗」を分けるためにしていることかもしれません。
それにしてもこんなに教えに明るい「まじめ担当」とユーモアたっぷりの「ふざけ担当」が牧師とは別にいる上馬教会って、人材豊富すぎてヤバいです。
まとめ
今回は『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』を読んで思った、大切なポイント3つを宗教家の立場から語っていきました。
〇宗教家まきのりが、本書を読んで感じた大切なポイント3つ
- まず親しみを持ってもらうということに全力を注いでいる
- 伝えたいことは曖昧にせず伝える
- 俗なるものを聖なる場所には持ち込まない
〇まきのりの視点
- 囲い込もうとしない雰囲気に安心感を覚える
- まじめ担当とふざけ担当が分かれている
- Twitterには牧師が登場しない
今回紹介した本です。
よかったら手に取ってみてください。
以上、「上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門を読んで、大切だと感じた3つのこと」
という話でした。
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