信仰する経営者が“幸せとは何か”考えるときに読む2冊【後編】

目次

前回のおさらい

さて、「信仰する経営者が“幸せとは何か”考えるときに読む2冊」の後編です。

まだ前編を読んでない方は先にこちらから読んでください。

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まず軽くおさらいです。

前回はミヒャエル・エンデの『モモ』を題材にして「幸せとはなにか」について考え、ざっくりとあらすじを紹介したあと、まきのりのグッときたポイントを紹介した。

この本は物語形式で、話が進むので非常に分かりやすい。

しかし、抽象的な部分も多く、現代に生きる私たちにはどこか絵空事になってしまうこともあるかと思う。

そこで今回紹介するのが、今回紹介する1日100食しか売らないステーキ丼屋のお話だ。

では順に見ていこう。

1日に100食しか売らないというステーキ丼のお店

豊かに過ごすための時間が、生産的に過ごす時間に浸食されている現代。

そこに「ちょっとそれ、おかしくない?」とメスを入れたのが、2冊目として紹介する、中村朱美さんの書かれた『売り上げを、減らそう』だ。

 

こちらもゴリゴリにオススメの本なので、よければ是非とも読んでほしい。

筆者の中村さんが経営する「佰食屋」という飲食店は非常にユニークだ。

このお店の特徴は百食しか売らない。ということにある。それがどういうことかを本書を引用して紹介したい。簡単にいうと2行で説明できる。

 

・働き方を極限まで絞ることで売上を上げているお店
・働き方の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる
(『売り上げを、減らそう』中村朱美 36頁)

 

これだ。
ちょっとこれだけでは意味が分からないと思うので、今回は最初の一行部分だけ、さらにまとめる。

「働きかたを極限まで絞る」というのは、

本当にいいものを、必要な数だけつくって、売る。
(『売り上げを、減らそう』中村朱美39頁)

ということに尽きる。これをすることで、売り上げを確保しながらも、働きすぎない環境をつくることができるのだ。

100食限定のステーキ丼は、ファストフード店では扱えないお肉を使ったり、調理工程をふんだりしているので、簡単には真似できない。だから売れる。

そして売れるので、営業はわずか3時間半。11時から14時半の間という、常識という名のちゃぶ台を5回転くらいひっくり返したお店なのだ。

まきのり
まじでスゴすぎるよね

この極限まで働きかたを絞ったスタイルをとっているお陰で、従業員のみなさんは、まだ日の出ている明るい時間に帰られるのだとか。

さらに給料もしっかりともらえる。これ、ほんとにスゴすぎません、これ?

まきのりの視点

さて、最後に2冊の本を合わせ読みして僕が感じたことを書く。

それはの幸せの再定義をしようということだ。

はじめに紹介した、『モモ』の作者、ミヒャエル・エンデは、豊かさについてこんなことを言っている。幸せとは多少異なるかもしれないが、共通する部分も多いと思うので、引用する。

豊かさとは必要なものが必要なときに、必要な場所で手に入るということ。
(『エンデの遺言』ミヒャエル・エンデ 310頁)

 

この言葉はエンデが『モモ』を通じて言いたかったことの1つだと思う。

現代に生きる多くの人が、実はもう十分に豊かで幸せな幸せな暮らしを享受しているのではないだろうか。
もちろん問題がないという訳ではない。世界的に見ても、日本だけで見ても問題が山積みなのは承知の上だ。

しかし、このまま僕たちはどこにいくのだろう。

この2冊を読んで、僕の中に浮かんだ言葉は、「足るを知る」だった。

今こそこの言葉が必要なのではないだろうか。

足るを知るとは、

人と比べるのではなく、自分の内側に目を向け、まず今与えられているものに感謝をすること。
今「足りている」ことに目を向けること。

簡単にいうと「今ですでに最高じゃん、満足しようぜ」という意味だ。(たぶん)

今回紹介した『売り上げを、減らそう』はその「足るを知る」ということを、現代で具現化しているお店だと、僕は感じた。

いったん立ち止まり、「自分にとって幸せとは何か」を考える。
そしてどこまでも利益を追求する、といった終わりのないレースから脱却する。

ここまでやればいいじゃないかという佰食屋の姿勢に、僕はえげつない衝撃を喰らった。

そして今こそ信仰者として、「足るを知る」ということを発信していく必要があるのではないか。
「足るを知る」という生き方は、似たような教えがあるところも少なくないだろう。

これからの時代の生き方を、信仰者から発信していけるよう、今日もこうして僕はパソコンに向かう。(いや、動けよ)

以上、「信仰する経営者が“幸せとは何か”考えるときに読む2冊」というお話でした。

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