信仰する経営者が“幸せとは何か”考えるときに読む2冊【前編】

目次

幸せについて本気出して考えてみる

幸せとは何か。

この質問には過去のえらい先生たちもうんうんと頭を悩ませたに違いない。

今回はそんな「幸せ」ということについて2冊の本をたよりに考えていく。
まず前編でミヒャエル・エンデが書いた『モモ』について紹介する。本書には物語を通して幸せに暮らすための、大切なメッセージが込められている。

さらに後編では『売り上げを減らそう』という書籍についても紹介したい。

京都にある「佰食屋」という1日100食限定で販売している非常にユニークな飲食店だ。

この2つを合わせて読むことで、『モモ』の幸せについての抽象的な概念を、『売り上げを、晴らそう』で現代社会で具体的にやってのけている具体的な方法を紹介できると思う。

ではいきまっしょい。

『モモ』から「幸せ」について考える

『モモ』のあらすじ

主人公はモモというボサボサの髪をした女の子。モモは町はずれにある劇場に迷い込んだ。このモモには不思議な能力があった。

それはひと言でいうと「聞く力」だ。町の人たちは迷いこんだモモのお世話をしながらも、モモに話を聞いてもらううちに、逆に幸福な気持ちになっていくのだ。

モモや町の人が楽しく暮らすそんなある日、町に恐ろしい“何か”がやってくる。それは人の時間を奪う時間泥棒、灰色の紳士たちだ。

彼らは言葉巧みに町の人の時間を奪っていくのだった。あまりに巧みすぎて時間を奪われていることに気がつかず、生活はひどくなっていく。幸せになるために貯めている時間のはずが、それが不幸な結果を生んでいるのにだ。

モモは誰も気がつかない灰色の紳士の思わくに気がつき、仲間を連れて町の人々にメッセージを送り続ける。

モモと灰色の紳士の戦いはいかに。

まきのりのグッときたポイント

『モモ』を読んで一番ハッとさせられたのは、灰色の紳士が、ある床屋の亭主、フージーさんを尋ねる場面だ。少し長いが、その部分をまとめる。

フージーさんは、そんなに名のある理髪師というわけでは無かったが、近所では評判のいい床屋だった。仕事はけっこう楽しくやっていて、散髪に訪れる人たちとおしゃべりをするのが好きで、腕にも自信がある。

しかし、あるお客の来ない雨の日にふと「俺は平凡な床屋だ。もっとちゃんとした暮らしさえあれば違う人生だったのに」と物思いにふけっていた。

そこに灰色の紳士がやってきて、「あなたの生活は無駄が多すぎる、その無駄な時間を貯金すればもっといい暮らしが待っている」と言葉巧みにフージーさんを説得するのだ。

フージーさんも自分がいかに無駄な時間を過ごしていたのかに気がつき愕然とし、灰色の紳士にどうすればいいのか教えを乞う。以下、本書から灰色の紳士の言葉を引用する

「時間の倹約のしかたくらい、おわかりでしょうに! たとえばですよ、仕事をさっさとやって、よけいなことはすっかりやめちまうんですよ。
ひとりのお客に半時間もかけないで、15分ですます。むだなおしゃべりはやめる。年よりのお母さんとすごす時間は半分にする」(『モモ』ミヒャエル・エンデ 98頁)

他にも、大切な女生に訪問する時間や友人との付き合いや、趣味の歌に費やす時間を削るように促されたフージーさんは、それを守りすぐに実践していく。
余った時間が貯蓄されると信じて。

その結果、フージーさんはだんだんとイライラした落ち着きのない人へと変わっていった。フージーさんだけでなく、町は灰色の紳士によってそそのかされた人でいっぱいになっていくのだった。

以上が、まきのり的グッときたポイントだ。

これは現代に生きる僕たちが知らず知らずのうちに陥っている姿ではないかと思うのだ。

やれ生産性だのコスパがどうだのといって、追及するあまりに本当に大事なものまで失ってしまうことが多いように思う。

もちろん仕事をする上で、生産性ということは意識しないといけないし、それがダメなことだとは全く思っていない。むしろ宗教家でありながら僕はけっこう「これは生産性がないから……」とかよく使う。

しかし、「時間の倹約」ということばかりに目がいってしまうと、一緒に大事なものまで捨ててしまいかねない

家庭をかえりみず働きすぎて、気がついたら家庭が崩壊しているということは、よく聞く話だ。(最近は働き方が見直されているので、だいぶ変わってきたのかもしれないが)

時間を分けて考えよう

これを防ぐためには

・生産的に過ごす時間
・豊かに過ごす時間

の2つを別モノとして考えるということが大事なんじゃないかなと思う。

「生産的に過ごす時間」の代表は、やはり仕事をしている時間だろう。仕事をしている時に「まぁ今日はスタバでも行ってゆっくりダベりましょうや」なんて言おうもんなら、上司からすんごい怒られることになるだろう。
ここはやっぱり時間を意識して、何かを生産していく必要がある。

ただ、この考えを豊かに過ごす時間にもっていくと、とんでもないことになる。
たとえば僕が、彼女とのディナーに行ったとして、

まきのり
ディナーは食事がゆっくり出てきて待ち時間が非常にムダだから、やっぱり吉野家に行こう。

あとお酒だけど○杯以上飲むと、次の日の生産性が下がるって雑誌で見たから僕は飲まないよ。

などと言ったら、おそらく彼女からグーパンをくらうことになるだろう。

ここまで極端なことはないだろうが、ここがごちゃ混ぜになっていることが案外多いのではないだろうか。

おいおい、まきのり君よぉ、仕事なめてんだろ。そんな生易しい考えは通用しねえんだよ、というかそんなおとぎ話、現代で通用し根ねぇよ

という声が聞こえる。

そんな方のために、この現代で生産性だけでなく、豊かに過ごす時間も大切にしている会社『佰食屋』を紹介しよう。次回、後編で紹介する。

今回はこのへんで。
以上、幸せとは何か?という話でした。

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